悪の秘密結社 の地下室の壁・・・
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緘口令と報道管制(第二話)(ヤマトの回顧録 公開版)
投稿者:
重機動男爵
投稿日:2005年 2月 6日(日)16時53分23秒
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うっ…。
私は、思わず顔を顰めた。
消化剤と、電装系の燃えるニオイが肺を駆け巡る。
たちまち嘔吐感と、頭痛に見舞われる。
何か「悪いモノ」を吸い込んだらしい…。
(こりゃたまらん!!)
私は、火災が発生している車輌への進入を諦める事を余儀なくされた。
このまま、行っては、デスラーの放った放射能ガスでヤマトの機関士たちがぶっ倒れた様な事になり兼ねない。
仕方なく、隣の車輌からの撮影する事にした。
何枚か撮影したが、あまり代わり映えしなかったので、一旦は他の車輌に引き揚げる事にした。
車輌の照明が消えた。
見回した所、乗客達にパニックの気配は無い。
一人、ときめいているのは私くらいなものだろうか?
滅多にない「見世物」である。
「早起きは三文の得」とは良く言ったものである。
いや、三文払ったくらいでは、こんな愉快なショーは見る事が出来ない筈である。
夜明け前の薄明かりの中、時計を見る。
(ああ、もう行ってしまったな…)
私は、元来乗るべき筈だった、東海道線の上り東京行きの事を思い浮かべた。
私は、勤務先の会社に電話をした。何時までカンズメ状態でいるのか判ったものでは無いからである。それと、自宅…。
母は、テロではないかと聞いてきたが、こんなローカルな所で、電車1輌火付けした所で、テロ業界で物笑いの種になるだけであると言ったら、納得してくれた。
さて、その後、乗客は後部車輌の運転席から、脱出となったが、車掌だか運転士は「ここから最寄り駅まで歩け」と言った。
見れば、箱根登山バスの狩川橋の停留所の前である。
全く以ってフザケタ話である。
自分達の不手際を棚に上げて、狩川の辺で客を放り出し、歩けとは何事か?
とにかく、こんな馬鹿に絡んでも損をするだけである。
ま、初めての事で慣れないのは判る(ま、慣れていたらコワイが…)が、対応が遅すぎる。
私は、伊豆箱根鉄道の大雄山線の五百羅漢駅まで走る事にした。
私と同じ選択をしたものの他に、蛍田駅に向かう者も居たようだ。
五百羅漢の駅に向かう時、後方からサイレンの音が聞こえて来た。
私は振り向かなかったが、多分消防車ではなかったのかと推測する。確認した訳ではない。
交差点でパトカーが見えた。
スピーカーで何か喚いている。
「道路が凍結しているので気をつけてください」
それだけだった。
その、能天気な台詞に、思わず怒りが込み上げる。
ま、状況が状況である。とにかく、先を急がねばならない。
その後、大雄山線で小田原に出た私は、通常通り、東海道線で勤務先へと向かったのである。目眩と嘔吐感、そして頭痛の身体を引きずって…。
この日、勤務先に着いたのは、午前七時三十五分であった。(つづく)
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