悪の秘密結社 の地下室の壁・・・
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緘口令と報道管制(第一話)(ヤマトの回顧録 公開版)
投稿者:
重機動男爵
投稿日:2005年 1月30日(日)16時39分28秒
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西暦2005年1月24日、0300時…。
私は、妙な胸騒ぎを感じ、目を覚ました。
普段起きる0350時には、未だ時間がある。かといって、このまま眠るには、二度寝の危険がある。
少し早いが、起きる事にした。
前日は、ミゾレ交じりの雨が降ったり、雪が降ったりして、寒い一日だったが、この日の朝も、やけに冷え込みがきつく感じた。
西暦2005年1月24日、0542時…。
何か変だ…。
駅で電車を待っていた私は、電車の来る方角を凝視した。
電車が来る時は、ホームの向こう側にある野立ての看板に、電車のヘッドライトが反射して、電車が来た事が判るのだが、この時は違った。
雷が走ってきた!?
そんな事を感じるような光が、線路脇の一般家屋の背景照明になっているのに気が付いた。
電車が見えた。
放電特有の嫌な音を立てながら、「走るナイアガラの滝の花火」の如くホームに滑り込んでくる始発電車の姿がそこにあった。
火花が、ホームに零れ落ちるのが見えた。
「コイツ、あぶねーぇ!!」
私は思わず口にしてしまった。
車内の照明も、明るくなったり暗くなったりと、かなり不安定である。
ま、ここまで走ってきたんだし、大丈夫だろう…。
私は、自分に言い聞かせ、電車に乗り込んだ。
電車が走り出した後も、放電の嫌な音と、パンタグラフからの火花が落ちるのが車内からも見えた。
照明の不安定な状態も相変わらずだ。
火花が、線路脇の家屋の屋根に落ちるのが見えた。
まるで、「機関車やえもん」の世界だな…。
架線とパンタグラフ間の放電の激しさは、幾分エスカレートしたみたいだ。
さすがに、運転手も気が付いたらしく、電車は速度を緩めた。
そして…。
一つ目の駅を過ぎたあたりから、さらにその症状は大きくなった。
何かが焦げるような、電気火災特有の臭いがした。
派手な放電音と、火花!!
夜明け前の闇の中、それは、輝かしくも幻想的な風景を電車の周囲に浮かび上がらせる。
私の座っている席の真ん前…。
突如、天井のエアコンのスリットから火花が車内に降り注いだ。
火花が小便の様に吹き出たのである。
それが、ほぼ同時だったと記憶している。
さすがに電車は止まった。
「きな臭い!」
「おい、何か燃えてるぞ!!」
誰かが叫んだ。
見れば、嫌なニオイとともに、エアコンのスリット奥から紅蓮の炎が覗いている。
これが、噂に聞く「車両火災」か!?
私は、思わず腰を揚げた。
それはそうだろう、この年になって、一度もこんなハプニングにはお目にかかった事が無かったのだから…。
おおっ、燃えてる燃えてる!
ホントに燃えてるよ!!オイ!!
年明け早々、こんな見世物があっただろうか!?
いやぁ、スゲーなぁ、ホントに火花が吹き出て、燃えるんだ、電車って…。
思わず感動の坩堝である!!
小●急電鉄が世界に誇る新型の主力車両が火災を起こしたのである!!
しかも、私の目の前で!!
あの、小田●電鉄の小田原線で…、である。
これは、もう、スクープであり、神のお導きでもる!!
コートを着た男(多分…)が、車掌室に走った。
程無くして、車掌が、消化器を持って来た。
「恐れ入りますが、前の車両に避難してください!!」
車掌の声に、他の乗客達が、前の車両に移動し始める。
薄暗い外の風景から察するに、狩川の鉄橋付近である事は判った。
いやぁ、イイモン見せてもらった。しかも真ん前、特等席だったしなぁ…。
カメラでも持ってくりゃ良かったなぁ…。
滅多に無い非常時である。
何か出来る事はないだろうか…?
え…?
そうだ!!ケータイで撮れば良いんだ!!
私は、急ぎ引き返し、火災発生の車両に取って返した。
ラッキー!!
何がラッキーかって?これを写真に収めようとするような馬鹿は未だに居ないからである。
そりゃ、そうだろう…。
良い写真を撮るには、いい場所を確保せねばならない!!
誰かがこの事を世に伝えねばならない!!
このまま、座して他の乗客と同じに行動していては「小説家」として、「モノ書き」としての面目が立たない!!
これは天の啓示なのだ!!
「良い話を書け…」「ネタにしろ」と、神様がそう言っているのに違いない!!
やっぱり、神様は居るんだ!!
これで、一面のトップは頂きだ!!
私は、走り出していた。
火災を起こしている、あの車両へと…。(つづく)
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